持ち家を買ったあと、人はなぜ多くを語らなくなるのか~住宅購入はゴールではなく、選択の日々が始まる地点~
住宅購入の話題では、成功談はよく語られます。
「買ってよかった」「安心した」「もっと早く買えばよかった」。
一方で、買ったあとに起きている細かな迷いや調整については、ほとんど語られません。
それは問題が起きていないからではありません。
多くの場合、語りにくいからです。
住宅を買うと、選択は終わるどころか、むしろ増えていきます。
修繕をするか、先送りするか。
今の働き方を維持するか、変えるか。
教育費や老後資金とのバランスをどう取るか。
住み替えを考えるか、このまま受け入れるか。
これらの選択はすべて、「もう買った」という前提の上で行われます。
つまり選択肢は残っていても、ひとつひとつにコストと説明が必要になる状態です。
そこで多くの人が選ぶのは、
これ以上深く考えない、という態度です。
「今さら言っても仕方ない」
「不満はあるけど、致命的ではない」
重要なのは、これは決して珍しい話ではないという点です。
住宅購入は、多くの人にとって人生でも大きな決断です。
その選択が最善ではなかったかもしれない、
あるいは見直す余地があるかもしれない。
そう認めること自体が、大きな心理的負担になります。
だから人は、語らなくなります。
問題がないからではなく、
「もう選び直せない」という前提のもとで、
すべてを済んだ話にしてしまうからです。
住宅購入はゴールではありません。
より多くの選択の日々が始まる地点です。
しかも、その選択は、買う前よりも、
ずっと重く、ずっと口にしづらい形で続いていきます。
だからこそ、確かめておくべきなのは
「買ってうまくいくかどうか」ではありません。
買ったあとに生じる迷いや調整を
自分は引き受けるつもりなのか。
その結果、多くを語れなくなった自分を
それでも受け入れられるのか。
それらを、家を購入する前に言葉にしておく必要があります。
そのための「5つの問い」を、私たちは用意しました。
その問いに向き合うも、向き合わないも、
それもまた、あなた自身の選択です。
