Choice Compass

住宅購入は「暮らしの問題」ではなく「時間の固定化」である

住宅購入という話題になると、多くの人は間取りや立地、設備、価格を比べ始めます。
どんな暮らしができるか。どれだけ快適か。
しかし住宅購入で本当に固定されるのは暮らしそのものではありません。

固定化されるのは、あなたが使える時間の性質や自由度です。

賃貸であれば「合わなくなったら変える」という判断は比較的軽い。
数年住んでみて違和感があれば、更新しない。
仕事や人間関係、生活リズムが変われば、場所を動かす。

そこでは、時間は流動的で、選択のテンポも柔らかく保たれています。

住宅を購入すると、この時間の性質が変わります。
引っ越すこと自体は不可能ではありません。
売ることも、貸すことも、理屈の上ではできます。

ここで変わるのは
できる/できない、ではありません。
選択にかかる時間の重さです。

たとえば「少し待つ」という行為。
購入前の「待つ」は選択を保留する自由でした。

購入後の「待つ」は
返済が進むのを待つ、
状況が好転するのを待つ、
損失が小さくなるのを待つ、
という意味合いを帯び始めます。

結果として起きるのは、人生のスピードが一段階遅くなることです。

転職を考えるとき、
環境を変えたいと思ったとき、
いまは様子を見るという選択をするとき、
それらすべてが以前より重い前提のもとで検討されるようになります。

重要なのは、これは「身動きが取れなくなる」という話ではないという点です。
多くの人は問題なくそこで住み続けます。
むしろ表面上は安定した生活が手に入ったように見えるでしょう。

ただ、その安定は時間の自由度と引き換えに成立しています。

住宅購入によって失われやすいのは
失敗したら引き返す、
しばらく決めずに保留する、
環境が変わるのを待つ、
といった「時間を使った調整の余地」です。

暮らしが固定されるというより、修正に使える時間が固定されるのです。

だからこそ
住宅購入を暮らしの問題だけとして扱う前に、
自分の時間がどのように固定されるのかを
一度、言葉にして確認する必要があります。

その前提を確かめるための「5つの問い」を、
私たちは用意しました。
その問いに向き合うも、向き合わないも、
それもまた、あなた自身の選択です。